せいめいのれきし

バージニア・リー・バートンの大ロングセラー絵本「せいめいのれきし」。

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もう、かなりせっぱつまってきている、夏休みの宿題お役にもたつかも^^ ?と、選んでみました。

改訂版では、「宇宙」「地球」「生き物の進化の歴史」がアップデートされています。

古代からずっとずっと続いてきたいのちの鎖。

そのめぐるいのちの様子が、地球誕生からの壮大なスケールで描かれていきます。

この絵本を見ると、いまのじぶんのいのちは、気の遠くなるような時間と、そこに発生したいのちの積み重ねなんだということがよくわかります。
はじまりは、考えられないほどの大昔、太陽が生まれたところから。そこから大地創生やいのちの誕生の数億年にわたる地球の歴史が紐解かれていきます。

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その壮大ないのちの旅の、最後のページはこんな風に締めくくられています。

「さぁ、このあとは、あなたのおはなしです。主人公はあなたです。ぶたいのよういはできました。時はいま。場所は、あなたのいるところ。いま過ぎていく1秒1秒が、はてしない時の鎖の、あたらしい輪です。生きものの演じる劇は絶えることなく続き―――いつもあたらしく、いつもうつりかわって、わたしたちをおどろかせます」。

 

で、この絵本にインスパイアされて生まれたのが福岡伸一さんの「せいめいのはなし」という1冊。
「動的平衡」をキーワードに福岡さんが内田樹・川上弘美・朝吹真理子・養老孟司の4人と生命の不思議について語り合うというもの。この4人との対談が面白くないわけなくて、もうこれは知的にとてもわくわくする本です。

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ここでキーワードになっている「動的平衡」は、ユダヤ人科学者のルドルフ・シェーンハイマーの提唱した「生命とは代謝の持続的変化であり、この変化こそが生命の真の姿である」という新しい生命感。絶え間なく動きながら、バランスをとっていて、それが生きていることそのものだ、と。

うん、そうだなぁ。

いまのわたしはいまだけのわたしで、どんどん変化している。

今日は、昨日の続き、ではなくて、昨日とは違う新しい1日。
生物学的には、半年もたてば自分の身体を構成している原子はすっかり今とは入れ替わっているそうで、「早い遅いはあっても、爪や髪、皮膚が新陳代謝されるように、骨の中身も脳細胞の中身も心臓の細胞の中身もすべて入れ替わっています。ですから『久しぶりですね、以前とお変わりないですね』と言っても実はあなたは「お変わりありまくり」なのです」と福岡さんは言います。

例えがいま、なにかつらいことを抱えていたり、行き詰っていたりして状況が何も変わらないように見えても。

本当は、すべてが少しづつ変化していっている。

新学期の開始を控えたこの時期、とてもつらい思いを抱えた学生さんも多いかもしれませんね。

そんな時、思い出してほしいのです。
じぶんのいのちが、気の遠くなるようないのちの積み重ねの奇跡から生まれてきていること。
いま、こうして生きていることも、あたりまえではなくて、体中の細胞が一生懸命働いてくれている奇跡の連続であること。
すべては、変化していること。

 

人生の壁には頑張って乗り越えなくてはいけないものと、逃げてもいいものがあると思います。
逃げるということにも、勇気は必要だから。
自分からいのちの時間をとめてしまいたいと思うほど辛かったら、その場から勇気を持って逃げたっていい、と思うのです。

自然の中でも、図書館でもいい(鎌倉図書館の司書さんのツイートも話題になりましたネ)、自分が自由に息ができるところで深呼吸して、鼓動を感じてみてください。

いまはいまだけで、自分もまわりのいのちも絶え間なく変化していっている。

Every wall is a door.
いま壁のように見えるものも、いつか、新しい世界への扉に変わるかもしれない。立ち止まってもいい、道草したっていい。
あなたは、あなたの物語をいきてゆけばいい。そう、思います。

それが多分、あなたの前に連なるたくさんのいのちからのメッセージ。

 

2015-08-20 | Posted in おとなのための絵本の森No Comments » 

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