よあけ

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なんというか、とても静かに満たされる一冊です。

シンプルな言葉と、美しい水彩画のような絵の数々に心惹かれます。

物語はとてもシンプル。山の中の湖畔にキャンプをしているおじいさんと孫が、日の出前に起きだし小船で湖に静かにそっと漕ぎ出した時、朝日がのぼり、美しく湖面を照らし出してゆく。それだけ。

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でも、そのなかに、いろいろなものがぎゅっと詰まっていて。

開くたびに、なんだかしみじみ、「世界は美しいな」と思うのです。

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朝の光って、人をとても元気づけるもの。

そんな朝の力が読み手に「生きる力」を授けてくれるような美しく力強い絵本です。

灰谷健次郎さんの「天の瞳」に出てくる絵本専門店のモデルになったこどもの本屋さん「メリーゴーランド」。
そこに小さいころから通っていた男の子が青年になったある日、「彼女にプレゼントしたいから」と、「よあけ」を買っていき「いい男に成長したなぁ」と店主が思ったというエピソードを読んだことがあるのですが、うーん、うちの息子にもそんな風に育ってほしい。

美しいものを美しいと思い、伝えられること。分かち合えること。

それってとても大切で素敵なことだと思うから。

「よあけ」の静けさに満ちていて、それでいて開かれている、この感じ。力強さ。

毎日、朝を迎えるたびにわたしたちはこんなにも、陽の光に祝福されているんですね。今日という日は本当に贈り物のように、なにか大きなものからいただいたかけがえのない1日。
そんな風に思えたら、もっと丁寧に日々を過ごしていける気がします。

大人だけでなく、小さな人たちにも生きていく力を与えてくれる、ゆたかな絵本です。

何度も朝を迎えるように、ぜひお手元でこの絵本を何度も開いてみてください。

 

 

2015-06-26 | Posted in おとなのための絵本の森No Comments » 

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