志村ふくみさんの展示のよせて

念願の志村ふくみ展。
素晴らしくて、涙がでそうだった。

植物から紡がれたやわらかな色あいが、優しく織り合わされ、なんともいえないやわらかな、でも凛とした着物に織り上げられている。

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やわらかな色。光を透かせ、照らしだすような色。悲しみも喜びも内包しているような色。
その色を贈りだした植物のエネルギー。

どれも美しく、素晴らしかったけれど、志村ふくみさんのはじめとの作品「秋霞」には、なんだか心撃たれてしまった。
ああ、人にとどく仕事ってこういうものかもしれない、と、ふと思う。
役に立つとか、立たないとかそういうことではなくて。そこに働き手のすべてがあらわれてしまうような、はたらきがかたちになったもの。

そのすべてが美しくて尊い感じがした。

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「光が視界に入り、さまざまな状況に出逢う時に示す、多様な表情を色彩として把えたゲーテは、「色彩は光の行為であり、受苦である」といったが、私はこの言葉に出合った時、永年の謎が一瞬にして解けた思いがした。光は屈性し、別離し、さまざまな色彩としてこの世に宿る。植物からの色が抽出され、媒染されるのも、人間がさまざまの事象に出会い、苦しみを受け、自身の色に染め揚げられてゆくのも、根源は一つであり、光の旅ではないだろうか。
生命の源、太陽から発した光が地上を美しい色彩で覆う日もあれば、思いがけない障害をうけて、影となり、曇りとなり、闇に達することもあり、地中にあって鉱石を染め、草の根に光を宿すこともあるのだと。」
(志村ふくみ「語りかける花」)

色彩の不思議。
色彩のチカラ。

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私自身の色は何色なんだろう。
しばらくは、ふくみさんの本たちに再会して、色彩をめぐる旅に夜な夜なでよう。

、、、やっぱり子育てがひと段落したら、アルスシムラで草木の染織りを学んで没頭してみたいなぁ。

それにしても、昔の日本人はこんな美しい衣を纏っていたのに。どうして簡単に手放してしまったんだろう。
着物文化、草木染めの文化って、やっぱり日本の背骨を支える大切な文化だと思うな。

2016-11-03 | Posted in blog, 未分類No Comments » 

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